Wave Technology(WTI)-ウェーブ・テクノロジ

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感電とは

みなさん、こんにちは。電源設計課 渡邊です。

私は前回、【WTIブログ:ブレーカーの種類と役割】の中で、遮断器(ブレーカー)は、一般の家庭に設置している分電盤にもある、とお話ししました。
その役割は大別して「契約の順守(電流値)」=アンペアブレーカーと、安全の確保」=漏電ブレーカー・安全ブレーカーでした。そこで、今回は安全に関連したお話をしたいと思います。

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前回、漏電とは、アース(大地)や意図しない経路に流れる事故で、出火や人間が感電する危険性がある、とお話ししました。では、そもそも感電は何が、どのように危険なのでしょうか。それについて、厚生労働省のサイト『厚生労働省「職場のあんぜんサイト」:感電[安全衛生キーワード]』に説明があり、その一部抜粋を箇条書きで下記に示します。

  • 感電とは人体に電流が流れ、障害を受けること
  • ドイツのケッペン氏は、人体通過電流の安全限界として、電流時間積50[mA・s]を提唱、ヨーロッパは安全率をかけ30[mA・s]で運用
  • 電気が侵入した部位(入電部位)と、電気が体外に出た部位(出電部位)の間に心臓がある場合、心室細動、心停止に至る可能性

 

また、漏電した箇所に体を預けたり手で握ったりした場合、不随意電流といわれる10~20mA以上の電流が人体に流れると、筋肉が痙攣を起こし身体を操作できなくなるため感電した箇所から離れられなくなります。それによって通電時間が長くなれば重症化や死亡の可能性が上がります。抜粋にある、ヨーロッパで運用している安全限界 30[mA・s]は日本でも基本としており、一般的に使用する漏電ブレーカーは高感度・高速形の30[mA]、0.1[s]です。

また、感電の防止・対策は漏電ブレーカーだけではなく、接地工事もあります。一般的には「アース(earth:大地)」と呼ばれる、地面に打ち込まれたアース棒に接続した配線です。製品・装置などを「アース」することにより、漏電した家電に人体が触れた場合でも、人体よりアース線の抵抗値が小さいため、電流は地中へ流出し人体への影響(電気ショック)を緩和できます。

一般的な家庭にあるアースは、水に濡れることで発生する漏電の対策として、水気のある洗濯機や台所のシンク周辺のコンセントに「アース付きコンセント」が設置されます。(コンセントの設置工事は有資格者(電気工事士)が行う工事で、無資格ではできません。) これは、洗濯機など家電の2極コンセントプラグを挿すコンセントの下側に、小さな扉があり、開けると家電のアース線端子をネジ止めする端子台にアクセスできます。

家電に、コンセントプラグとは別の線で本体にアース線が出ているか、コンセントプラグ自体から分岐したアース線が出ていれば、安全のためアースを取って下さい。
もしアース付きコンセントがない場合は、屋外にアース棒によって接地する必要があります。製品・装置から出ているアース線を引出し接続します。

WTIで行う評価・試験でも、過酷な試験であれば時に回路・基板から出火・漏電する可能性もあるため、安全に配慮して試験を行っています。
当社電源設計課は、設計経験の豊富なエンジニアが在籍しており、各種評価・解析などのご依頼にも対応できますので、お気軽にご相談ください。

 

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