Wave Technology(WTI)-ウェーブ・テクノロジ

WTIは技術者不足を解決する「開発設計促進業」です

ブレーカーの種類と役割

みなさん、こんにちは。電源設計課 渡邊です。

私が在籍する電源設計課は、AC-DCコンバータやDC-ACインバータなど各種のスイッチング電源を設計しており、あわせて電源特有の各種評価・試験を行っています。
WTIの電源設計サービスはこちらをご参照ください

試験の中には「異常試験」と呼ばれる、部品故障発生時の安全性について評価する過酷な試験も行っていたりもします。

このような過酷な試験の際には、大きな電流が流れたり大きな電圧が加わったりすることがあります。このような際に、評価設備を保護する重要な装置のひとつが「遮断器」で、「ブレーカー」と呼ぶほうが馴染みのある方も多いと思います。 今回はそのブレーカーのお話をしたいと思います。

ブレーカーは、一般家庭では「分電盤」の中にあります。図1に示すように、電力会社の設備である「商用系統」から「電力計」を経由して「分電盤」に接続され、ここから家庭内電源に配電されています。

 

図1. 家庭内配線

 

この分電盤の中に並べてられているブレーカーは、目的に応じて、図2 のように種類の異なるものが入っているのはご存じでしょうか。

 

図2. ブレーカーの種類

 

種類としては、以下の3種類があります。

  • アンペアブレーカー:電力会社と契約した電流値を守る

電力計から最初につながるもので、電力会社と契約した電流値を守るものです。
ブレーカーの定格電流を超える、つまり電気を使いすぎると遮断(この動作はトリップと呼びます)します。ただし、近畿地方や中国地方などでは、電力会社との契約の条項に定められていないので設置しません。

  • 漏電ブレーカー:一般家庭や電力会社が持つ商用系統を事故から保護する

その次につながるのは漏電ブレーカーで、近畿地方や中国地方ではこれが電力計から直接つながるブレーカーになります。漏電とは、一般家庭の電灯線の場合は、電流が電灯線の3線(U相・O相・W相)以外、つまりアース(大地)や他の経路に流れる事故です。漏電が発生すると、電流は設計した配線・回路以外に流れるため、人間が感電する可能性もあって大変危険です。また、漏電で大電流が流れると配線の絶縁が破れ出火する、などの危険もあります。
アース(大地)に漏電すると、何百アンペアもの電流が流れ、一般家庭の中だけでなく、上流の商用系統でも電圧の変動などの影響を与えます。そのような事故を防ぐため、漏電ブレーカーは下記の二つの場合に対応してトリップする機能があります。
  a.ブレーカーの定格電流を超えた場合
  b.漏電があった場合

  • 安全ブレーカー:各回路(各部屋ごと)の電流値を守る

漏電ブレーカーより下流で、部屋ごとに分岐して設置するのが安全ブレーカーです。
これは、各部屋で消費する電流がブレーカーの定格電流を超えた場合にトリップします。例えば、家電などの使い過ぎや、安全ブレーカーから先が短絡する事故などがあった場合です。

WTIで行う試験でも、これら各種ブレーカーを使い分けて、市場設備の模擬をして試験で使用しています。試験する電源回路によっては、他の方法も組合せ、安全に配慮して試験を行っています。

WTIには、設計経験の豊富なエンジニアが在籍しており、各種評価・解析などのご依頼にも対応できますので、お気軽にご相談ください。

 

【関連リンク】

電源関連ブログ:

 

WTIメールマガジンの配信(無料)

WTIエンジニアが携わる技術内容や日々の業務に関わる情報などを毎週お届けしているブログ記事は、メールマガジンでも購読できます。ブログのサンプル記事はこちら

WTIメールマガジンの登録・メールアドレス変更・配信停止はこちら

 

WTI動画リンクはこちら
WTIの技術、設備、設計/開発会社の使い方、採用関連など、幅広い内容を動画で解説しています。

 

 © 2005 Wave Technology Inc.