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SiCのMOSFETについて

みなさん、こんにちは。
第二技術部電源設計課の富永です。

今回が、2回目の登場になります。
前回のブログ『SiCデバイスを使って電源を高効率化してみました』では、SiCのダイオードについてお話しさせていただきましたので、今回はMOSFETについて、お話ししたいと思います。
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SiC MOSFETについては、社長ブログ「いまさらなんですが、SiCって何がいいのでしょうか?」で紹介しているとおり、Siと比べても高い耐圧を持ちながら、抵抗も小さいという特徴を持っています。
この特徴を活かして、高耐圧のIGBTをSiCのMOSFETに置き替える製品が多く見られます。

IGBTは、高耐圧化してもON電圧(コレクタ-エミッタ間電圧)が低いという特徴があるため、高電圧、大電流の産業用途などでよく使用されています。一方で、MOSFETよりも、スイッチング周波数が低く、テール電流によるスイッチング損失が大きいというデメリットがあるため、前述したようにIGBTからSiC-MOSFETに置き換えて特性改善を図る製品があります。

 

表1.Si-MOSFET・IGBT・SiC-MOSFETの比較例(600V以上の高耐圧品に見られる傾向)

 

Si-MOSFETからSiC-MOSFETへの変更については、SiC-MOSFETのコストが高く総合的なメリットが小さいため、変更している製品は少ないと思います。

パワーデバイスをSiC-MOSFETへ変更する場合は、まず表1に示すようなデバイス性能を比較すると思いますが、具体的には何の特性を比較すればよいのでしょうか?

SiCはON抵抗が小さい特徴がありますが、ON抵抗だけで比較しないでください。
MOSFETの性能は、FoM(Figure of Merit)といわれる性能指数で比較します。FoMはON抵抗と容量成分の積で表されます(RON×CissRON×Qgなど)。これは、チップサイズが大きくなれば、ON抵抗が減少し、容量成分が増加するというトレードオフの関係があるためです。また、比較する場合には、メーカによって測定条件が違うことがありますので、注意してください。

Si-MOSFETにはスーパージャンクション構造という技術を採用してON抵抗をより小さくしたデバイスがありますが、最近SiC-MOSFETについてもこの構造のデバイスが発表されています。SiC-MOSFETの更なるON抵抗の改善によってFoMも向上することを期待しています。

 

図1.MOSFETの構造図

 

次に、実際にSiCに置き換える場合には、駆動電圧を変更することも注意してください。

  • Si-MOSFET、Si-IGBTの駆動電圧VGS:10~15 V
  • SiC-MOSFETの駆動電圧VGS:18 V前後

 

以上、SiC-MOSFETについて簡単に紹介させていただきましたが、実際SiCに置き換える場合、単純に部品を置き換えるだけでなく、スイッチング周波数の高周波化、小型化を考慮して設計を行うことになると思います。周辺回路変更に伴い部品・定数変更、基板変更、更には確認評価、信頼性評価などを実施することになりますが、時間や設備がない、変更検討しているがうまく動かないなど、いろんな問題が起こることもしばしばあると思います。

WTIでは、電源設計、評価はもとより、MOSFETの特性評価、回路シミュレーションモデル用パラメータ取得、基板設計、ノイズ対策、熱シミュレーションなどの幅広い知識と経験を有しておりますので、お気軽にご相談下さい。

 

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