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基板設計を他社に依頼する時のポイント

みなさん こんにちは!第一技術部 基板設計課の木戸です。

今回は基板設計を依頼する際に必要な資料について、紹介させていただきます。

基板設計は社内の基板設計部門、基板設計の専門会社や基板メーカーに依頼する事例が多いと思います。どこに基板設計を依頼しても、設計資料の内容次第で、設計品質や納期や費用に影響します。

当社で基板設計する際に、良く再確認している内容や修正を依頼する内容などのポイントも記載しますので、参考にしていただければと思います。(当社の基板レイアウト設計受託や半導体ベアチップを用いた基板設計の紹介はコチラ

 

基板設計を依頼する際は、主に下記の①~④の資料が必要となります。

①回路図/ネットリスト
②部品表
③基板外形、基板制限図
④基板設計指示書

以下それぞれのご依頼時のポイントを紹介いたします。

 

① 回路図/ネットリスト

基板設計には必須の情報となります。基板設計CADで読み込めるネットリストは決まっておりますが、様々な形式があります。当社では図研製CAD(CR5000BD,CR8000DF)のため「ccf」形式となりますが、「Telesis」形式などの他の形式でも、変換ツールを活用して読み込むことができます。

尚、当社では紙やpdfしかない回路図を元に、当社の回路図CADにて再トレースし、ネットリストを作成することも可能です。

<ポイント>

  • 有極性部品

ダイオードやドランジスタ、FETなどの有極性部品のピン番号は1pin、2pinなどの数字ではなく、右図のような、英字のピン番号の方が部品登録のミスを防ぐことができます。

  • オフページコネクタのネット名の誤記

回路図のページ間を繋ぐオフページコネクタのネット名の誤記により、本来、接続しなければならないネットが接続されていないことがあります。回路図CADのDRC機能で単独ピン(1pinしか接続していないネット)を検出することで、事前に防ぐことができます。

  • 配置/配線の注意事項

後述する④の基板設計指示書での指示でも問題ありませんが、回路図上に想定の電流量や配線幅、GNDシールド、等長配線指示などの各注意事項がコメントとして記載されていると、より基板設計者に意図が伝わります。

 

② 部品表

回路図と合致した部品表が必要となります。確認等のため、Excelデータでいただけると助かります。

<ポイント>

  • ネットリストと部品表の不一致

ネットリストの中にもリファレンス番号と部品型番や定数が記載されています。手動で作成している部品表の場合は、ネットリストと部品表が不一致となる事例が多く、工数が増える要因になります。

  • 部品データシート

部品外形や部品フットパターン(部品ランド)のデータシートなどの資料を準備いただけると、調査する工数が削減でき、費用が安くなります。

  • 部品パッケージの種類

部品型番が同じでも、枝番でパッケージタイプが異なる部品が多くありますので、注意が必要です。

 

③ 基板外形、基板制限図

コネクタなど部品の配置指定、部品配置禁止領域、高さ制限などがある場合は必要です。

<ポイント>

  • 実現性の事前検討

部品登録が完了し、いざ、基板設計を開始したところ、「部品が指定の基板内/制限内に部品が配置できない」という事例が多々あります。その場合、回路や構造の見直しが発生し、基板設計の納期や費用に影響が出ます。

特に納期、費用が厳しい案件や小型化が必要な基板は、事前の実現性検討を是非お願いします。(当社では回路設計~構造設計のワンストップでの開発経験が豊富なため、実現性検討からの対応も可能です。)

 

④ 基板設計指示書

基板設計ルール/層構成、想定の部品配置、電気的な指示を明記した資料です。

<ポイント>

  • 電気的な制約の記載

特に指示なく依頼したため、パターン検図時に「あれ?思ってたパターンと違う!」という経験をされた方もおられると思います。後戻りを少なくするためにも、基板設計前には、電気的な制約や指示を伝えて、意思の疎通を図りましょう。①で記載しましたが、回路図上に各注意事項を記載すると、わかりやすいです。

  • 基板メーカー

実際に基板製造する基板メーカーによって、基板設計ルールが変わる場合があります。製造ができても、価格が高くなる事例もあります。想定している基板メーカーの推奨ルールを確認し、基板設計ルールを決めましょう。

弊社では想定の基板メーカーと直接ルールの調整を行うことも可能です。

 

いかがでしたでしょうか?皆様のご参考になれば幸いです。

WTIでは様々な種類の基板設計や試作サービスを行っておりますので、お困りの際は、お気軽にお声掛けください。

 

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