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BGAの基板設計(その1)

みなさん こんにちは!第一技術部 基板設計課の木戸です。

WTIの基板設計では、大規模回路の基板・多層配線基板・高密度実装基板・フレキシブル基板(FPC)など、様々な種類の基板設計を行っていますが、特にご要望が多いのはIoT端末やウェアラブル端末などに用いる小型・高密度実装の基板設計です。

製品の小型化や基板のコストダウンのために、マイコンやFPGAはBGAパッケージを採用する事例が多いと思います。
そこで、今回はBGAの基板設計についてお話ししたいと思います。

BGAはBall Grid Arrayの略で、格子状にボール形状の端子が配置された裏面で接続する実装部品です。端子数は4~2000ピン、端子間隔は0.4mmピッチ~1.27mmピッチで、端子の配列が色々あります。今では一般的な構造となりましたが、二十数年前は高密度実装を実現するための画期的な構造で、BGAのランド形状や実装信頼性、基板設計手法など、社内実績もルールも知見もなく、不安な気持ちでBGA部品を採用した記憶があります。

 

 

BGAを使うと実装密度はとても高くなりますが、BGA周辺の基板設計の難易度が上がり、基板製造も基板層数、基板構成、配線幅/配線間隔などコストや品質に影響が出る可能性があります。

① 基板の層数

BGAは表面実装部品のため、実装面以外の層では直接端子と接続できず、必ずビアを介して、その他の層と接続する必要があります。端子数の多いBGAや端子ピッチが狭いBGAほど、たくさんの層が必要となります。

② 基板構成

BGAの基板設計では貫通基板、IVH基板、ビルドアップ基板を用いることが多いです。端子数が少なく、端子ピッチが広い場合は安価な貫通基板を用いることができますが、端子数が多く、端子ピッチが狭い場合は高価なIVH基板やビルドアップ基板を用いる必要があります。(基板の構成については実は関係が深い?基板構造と部品パッケージでも紹介しています。)

③ 基板設計ルール(配線幅/間隔、ビアサイズ)

配線幅や間隔、ビアの穴径/ランドサイズが小さければ小さいほど、BGAの基板設計はやり易くなりますが、基板製造のコストや品質に大きく影響します。また、基板ベンダによって、製造可能なルールが異なりますので、設計前に注意が必要です。

④ ランド形状

下図のように、BGAランド形状はランドの一部がソルダーレジストで覆われているSMD構造と覆われていないNSMD構造の2種類あります。ランド形状はBGAの基板設計のやり易さだけでなく、信頼性にも影響します。

 

 

BGAの基板設計のやり易さと基板製造のコスト/品質はトレードオフの関係があり、基板コストを考慮したうえで、BGAのパッケージの選定や基板構成/基板ルールの選定が必要となります。次の機会には①~④のBGAの基板設計例を紹介したいと思います。

 

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