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特性インピーダンスと基板設計

みなさん こんにちは。第一技術部 基板設計課の木戸です。

WTIの基板設計では、大規模回路の基板・多層配線基板・高密度実装基板・フレキシブル基板(FPC)など、様々な種類の基板設計を行っています。(当社の基板レイアウト設計受託サービスはコチラ

今回は4/16の橘高さんのWTIブログ『高周波とは ~整合のイメージ~』にも関連した内容で、基板の『特性インピーダンス(配線インピーダンス)』についてお話しします。

特性インピーダンスをWebで検索してみると、あるサイトでは
『分布定数回路における概念で、そこを伝搬する電圧と電流の比である。』
と書いてあります。

分布定数回路はWTI社長ブログ『分布定数回路とは?』にわかりやすく書いてありますので、是非、ご覧ください。

近年のデジタル信号の高速化に伴い、デジタル回路の基板設計にも集中定数回路ではなく、分布定数回路の概念が必要となっており、基板の特性インピーダンスを考慮した設計が必要になります。

では、基板の特性インピーダンスはどうやって求めるのでしょう?

基板の特性インピーダンスは、導体幅や配線間隔、絶縁層の厚み、比誘電率から求めることができますが、図1のマイクロストリップラインや図2のストリップラインのように配線する層構成によって、名称や計算式が異なります。
(各値を入力すると、自動で計算してくれるWebサイトも多数あります。)

上記の計算で特性インピーダンスを導き、基板設計を行っても、実際に出来上がった基板の特性インピーダンスは計算値と異なる場合が多いので、注意が必要です。

例えば、一般的に基板の配線幅(w)は、設計値に対して出来上がった配線幅が細くなったり、絶縁層の厚み(h)が基材や基板製造時のプレス状態で変わったりします。そのため、せっかく計算した特性インピーダンスと出来上がった特性インピーダンスにズレが発生するのです。

どれだけ配線が細くなるか、層間の厚みが変わるかは、基板メーカーや基板の種類、製造工法(サブトラクティブ法、セミアディティブ法など)などによって異なります。

基板メーカーは独自のノウハウ(配線や層間など設計値に対しての仕上がり値)を持っていますので、設計値に対する仕上がり値など、事前に基板メーカーと仕様の確認・調整が必要になります。

基板設計完了後に基板メーカーを価格や納期のみで選定してしまうと、後戻りや、想定していた特性がでない可能性がありますので、基板設計時から採用予定の基板メーカーの仕様にて基板設計することをお勧めします。

基板メーカーによっては基板種類、層構成、必要な特性インピーダンスを指定すると、実績に基づいた導体幅/間隔などの設計値を求めてくれることもあります。
また、出来上がった基板の特性インピーダンスは基板の捨て板など必要のない部分にテストクーポンと呼ばれるパターンを設けて、基板メーカーにて測定してもらうことも可能です。

WTIでは特性インピーダンスを考慮した基板設計や試作サービスも行っていますので、お困りの際は是非お声かけください。

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