はじめまして、第一技術部ソフトウェア設計課の林と申します。
私の自宅は大阪なのですが、年初から新しいミッションを遂行すべく、関東の地に赴任して初めての職務に取り組んでいます。
その初めての職務と言うのが、ソフト開発ではなくFAE(フィールドアプリケーションエンジニア)で、対象は車載用マイクロコントローラです。
FAEの業務は、お客様の要求仕様に合った半導体製品を提案したり、製品の使い方などの応用技術をお客様のエンジニアに提供するもので、現在はお客様からの技術的な質問に回答したり、お客様では対応の難しいサンプルプログラムを提供しています。
そして担当している車載用マイクロコントローラは、これまでに使用したことのある他社のものとはいろいろ勝手が違ったり、また車関連の仕事も初めてで、開発環境や専門用語の違いに戸惑っています。
しかし、今はまだ勉強中の身で苦労の連続ではありますが、新しい技術を習得するのは楽しいことでもあります。しかも、昨今の車関連では、コネクテッドカーとか自動運転など、これまでとは少し違ったキーワードでの開発が行われるようになっており、新しいことにチャレンジするには良いタイミングではないかと思っています。
世界の自動車メーカーは、単なるエンジンの電子制御などではなく、自動運転などのより複雑なソフトウェアを開発する必要性に迫られています。
ネットとつながって最新の地図をダウンロードし、目的地まで自動で連れて行ってくれる車。ユーザーとしては夢のような話ですが、そのような流れの中で、非常に重要になってくるのが安心、安全であることを否定する方はいないと思います。
現在担当させていただいているマイクロコントローラは、その安心、安全で最先端を行くもので、少しその特徴をご紹介します。
- ロックステップコア
(2つのCPUが同じ処理を行い、その結果を比較して異常がないことを確認するCPU) - エラーチェック機能つきのメモリ
- LBIST(論理内蔵セルフテスト)機能
- SBST(ソフトウェアベースのセルフテスト)機能
- HSM(Hardware Security Module)。独立したハードウェアセキュリティモジュール
また、無線によるソフトウェアの書き換え(OTA)にも対応しており、ウイルスや不正なプログラムの改ざんを防止する機能によりセキュアなプログラム更新を実現しています。その仕組みは、ユーザーコンフィグレーションブロックが正しい手順、正しいデータで書き換えられないと、ソフトウェアが起動しないことで実現されています。
ここで注意すべきことが1点あります。
上記のように改ざんなどに対するセキュリティを強化しているため、プログラム開発時にICEを使用してプログラムやデータを書き込むときに、誤ってユーザーコンフィグレーションブロックを破壊してしまったら、プログラムが立ち上がらなくなるので開発中には注意が必要です。
つまり、それほどセキュリティに厳しい作りとなっているわけです。(「ボタン一発で工場出荷状態に戻る」とはいきません。)
ソフトウェアの開発環境については、数社がコンパイラや統合開発環境などを提供されていて、評価ボードを入手すれば、メーカーが無償で提供しているサンプルプロジェクトと、無償でライセンスしてくれる試用版のコンパイラを使用して、簡単にこのマイクロコントローラの動作を試してみることができます。
近い将来、このマイクロコントローラのFAE経験を生かして、お客様から自動運転などの大きなソフトウェア開発プロジェクトを任せて頂くことを目標に、日々奮闘しています。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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