#33に続き、コモンモードノイズ対策で使用するコモンモードフィルタを紹介します。
このフィルタはコモンモードに対して高いインピーダンスを有しますが、ノーマルモードではインピーダンスが低いことが特徴です。このため、伝えたい信号(ノーマルモード)の品質は劣化することなく、コモンモードノイズだけを抑制することができます。このメカニズムを示したものが以下の図です。
フェライトコアにセンドラインとリターンラインを同じ向きで巻くと、ノーマルモードでは磁界を相殺するのでインピーダンスが低くなります。一方、コモンモードでは磁界を強め合うのでインピーダンス(インダクタンス成分)が高くなります。よって、差動信号線路上にコモンモードノイズが重畳している場合は、コモンモードフィルタを挿入することによりノイズを抑制することができます。