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高周波増幅回路設計の話

みなさん こんにちは。
高周波設計第一課の藤井です。

今回は高周波増幅回路の設計についてお話ししたいと思います。高周波増幅回路は増幅素子、整合回路、バイアス回路で構成されています。以下に構成順にご説明します。


1.増幅素子の選定

まず増幅素子ですが、ここでは市販のトランジスタ製品を使う前提で考えます。

メーカーから提供されているトランジスタのデータシートを見て必要な性能、例えば利得や出力電力、効率などが得られるような製品を選定します。

数百MHzくらいまでの周波数では主にSiバイポーラトランジスタやSi MOS FETなどが良く使われ、数GHz以上になってくると、Siよりも高い利得が得られることからGaAs やGaN による増幅素子が使われることが多いかと思います。

2.整合回路の設計

適当な増幅素子が見つかったら次にトランジスタのインピーダンスに合わせて整合回路を設計します。

整合回路とはトランジスタのインピーダンスを回路の特性インピーダンスである50Ωに変換するもので、整合回路のできが悪いと高周波信号が増幅素子に効率よく入力できなかったり、増幅素子から効率よく信号を取り出せなかったりで、増幅素子が本来もっている性能を引き出すことができなくなるので、増幅回路を設計する上でとても重要な部分です。

整合回路にはキャパシタやインダクタなど無損失の回路素子が用いられます。抵抗を使ってもインピーダンスを50Ωに合わせることはできますが、抵抗で高周波信号が減衰してしまうので抵抗を整合回路に使うことは、意図して利得を下げる場合など特別な場合を除くと通常はありません。

整合回路の設計で必要になるのがSパラメータとスミスチャートの知識です。トランジスタのSパラメータを基にして、「トランジスタにキャパシタやインダクタを接続すると、スミスチャート上でインピーダンスがどのように変化するか」ということを頭の中でイメージしつつ適切な整合回路構成を考えます。
ここで考えた回路が適切でないと、周波数特性が悪くなるなど所望の特性が得られないことがあり、経験やノウハウが必要とされるところです。

3.バイアス回路の設計

バイアス回路は増幅素子に所定の電圧や電流を供給するための回路ですが、通常は高周波特性に影響しないように、インダクタや1/4波長伝送線路などを用いて設計されます。
また多くの場合バイアス回路には不要な低周波利得を落として増幅器の発振を抑制する役割もあり、その設計が適切でないと試作した際に発振を起こして苦労する羽目になったりしますので注意が必要です。


以上、高周波増幅回路設計の概略についてご説明しました。

これらの回路設計作業は高周波回路シミュレータの力を借りて行うことが多いです。

回路シミュレータを使うと増幅回路の特性をシミュレータ上で確認しながら回路検討できるので、効率的に設計作業を行うことができ、回路定数のチューニングや最適化機能により最適な回路設計が可能になります。
またトランジスタの大信号モデルがあれば出力電力や効率などの大信号特性を考慮した設計を行うことも可能です。

当社には今回ご紹介したような回路設計を得意とする高周波エンジニアが多数在籍しています。お困りの際はぜひお声掛けください。

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