Wave Technology(WTI)-ウェーブ・テクノロジ

WTIは技術者不足を解決する「開発設計促進業」です

高周波電力増幅器とは?

橘高

みなさま、お久しぶりです。今回で3ヶ月ぶり2度目の登場となります、(株)
Wave Technology高周波設計第一課長 橘高です。

さて最初は『「高周波」ってなんだろう?』で始まり、高周波設計第二課の大植さんから『意外と身近な無線通信』と続き、高周波としては第3回目となりました。
3回目として何を書こうかと考えたのですが、ふと考えると「私たちの課に関する紹介を書いていなかった!!」ということに気付きましたので、まずはそこから始めたいと思います。

私共の高周波設計第一課で主に取り扱う物は、高周波電力増幅器と呼ばれるものです。

(当社の高周波電力増幅器開発サービスはこちら)

あれっ!? また増幅という分かりにくい言葉が出てきましたので、ちょっとだけ脱線したいと思います。

そもそも無線通信とは、その名が示す通り、「線が無い(=無線)」と言うのが特徴で、いわゆる空間を伝搬する電波に様々な信号を乗せて「情報をやり取り(=通信)」するものです。この空間を電波が伝わる際に、通信距離が長ければ長いほど大きな電波のエネルギー(電力)が必要となってきます。

通信距離が長くなると、より多くの電力が必要となる、これは何故なんでしょうか?

物質が何もない空間(自由空間)で考えてみましょう。自由空間なら、電力の損失は発生しないので、どんなに離れていても伝わると考えがちです。

でも実際には電波は、上の図のように、ある出発点を起点として拡散しながら伝わっていきます。という事は距離が遠くなればなるほど、伝達面積は大きくなります。これに対し元々持っている電力は一定ですので、単位面積あたりの電力の密度はどんどん小さくなっていきます。この小さくなることが電力の損失とも見て取れる作用となります。

加えて自由空間なんて地球上で存在するわけもなく、実際には空間に存在する物質に吸収されたり、反射されることで、さらに電力は小さくなってしまうのです。

このため、空間に電波を送り出すときには、通信距離に応じた必要な電力まで事前に大きくした状態で送り出す必要があります。
また、空間を伝ってきた電波を受け取るときも、伝搬する過程で小さくなった電波から再現性よく信号を取り出すために、ある程度の電力まで大きくしてやる必要があります。
これら電力を大きくしてやることを増幅と言います。

ちょっと寄り道しすぎましたので、本来の主旨である課の説明に戻りたいと思います。我々が取り扱う高周波電力増幅器とは、これら「高周波」の「電力」を「増幅」するという用語を繋げたものになります。
実際の業務内容は、それぞれの用途に応じた機能(周波数帯域・電力・増幅率・効率・歪)を持つ増幅器の開発となります。
高周波設計第一課の大部分の仲間が、これら増幅器として用いられる、高周波トランジスタの整合回路設計や、インピーダンスの最適化に向けた調整評価を行っています。さらに、一部の仲間は、高周波トランジスタそのものを作るもっとコアな業務(申し訳ありませんが、ここはあまり詳しく書けませんので説明を省かせていただきます)にも対応しています。
かなり局所的な領域で業務を行っている分、この分野ではかなりの技術力を有していると自負しています。
(おっと!? また色々な言葉が出てきましたね。これらの説明はまた次の機会に)

そう言えば、既にご覧になられた方もいらっしゃると思いますが、6月頭に当社の高周波・無線ホームページを全面的にリニューアルいたしました。下記にリンクを貼っておきますので、興味がありましたら、是非一度ご覧いただければと思います。

高周波・無線ホームページ

また、高周波関連の過去のブログもご覧ください。

「高周波」ってなんだろう?
意外と身近な無線通信

 

WTIメールマガジンの配信(無料)

WTIエンジニアが携わる技術内容や日々の業務に関わる情報などを毎週お届けしているブログ記事は、メールマガジンでも購読できます。ブログのサンプル記事はこちら

WTIメールマガジンの登録・メールアドレス変更・配信停止はこちら

 

WTI動画リンクはこちら
 WTIの技術、設備、設計/開発会社の使い方、採用関連など、幅広い内容を動画で解説しています。

 © 2005 Wave Technology Inc.