Wave Technology高周波デバイス技術課の橘高です。
今回は前々回の『高周波回路の設計 ~整合とは~』からの流れで、ちょっとだけお話したいと思います。
と言うのも、新人さんが必ずといって良いほど引っかかるポイントだからです。
偉そうにブログを書いている私自身も、学生時代には全く別の化合物半導体物性を学んでいましたので、入社して数年は何をやっているのか分からない状態でした・・・今でも???(笑)
そんな経験も踏まえて、できるだけ分かりやすく整理してみます。
インピーダンス整合とは何か ~高周波信号におけるインピーダンス整合の重要性~
インピーダンス整合とは、一般的には電気信号を伝える場合、送り出す側の回路インピーダンスと、受け取る側の回路インピーダンスを一致させるという事です。
この条件が満たされると、電気信号のエネルギーを最も効率よく伝えることができます。
特に高周波の分野で言い換えると、ある回路からある回路に高周波信号を送る場合に、回路の接続部で生じるロスを最小限に抑えることができます。
インピーダンス不整合で起こる問題(反射とロス)
ではインピーダンスが一致していないとどうなるかと言うと、接続部分で高周波信号の反射が起きて、せっかくそこまでに増幅していた電力をロスさせてしまうことになります。
そもそもインピーダンスとは何か ~交流における電圧の電流に対する比~
ここで「インピーダンス」という言葉が出てきたので、少し説明します。
この言葉を辞書で調べてみると、『交流における電圧の電流に対する比』と書いてあります。
私たちの取り扱う高周波も交流と言い換える事ができます。
抵抗・コイル・コンデンサの違い
また、電子回路は抵抗・コイル・コンデンサで表すことができますが、交流ではそれぞれ次のような特徴があります。
抵抗:電流と電圧の位相は同じ
コイル:電流は電圧より 90°遅れる
コンデンサ:電流は電圧より 90°進む
(ここが非常に曲者です。まずはそういったものだとご理解いただければ幸いです)
抵抗であれば、電圧と電流の比は常に一定なのですが、コイルやコンデンサでは電圧と電流の比は一定にはなりません。
このため位相の振舞いを表現するために、インピーダンスという、交流の中で回路の電気特性を表す尺度を用いることが重要となります。
インピーダンスの式(Z = R + jX)
インピーダンスは一般的に
Z = R + jX
の数式で表され、これら「R」「j」「X」は、
R:抵抗成分
j:虚数単位
X:リアクタンス成分
と定義されます。
概念的な説明をするつもりでしたが、とうとう数式が出てきてしまいました。
理論的なことは世の書籍に譲りますので、もし興味をお持ちになられたら調べてみて下さい。
インピーダンス整合を理解するためのポイントまとめ
本記事のポイントは以下の通りです。
・インピーダンス整合はエネルギー伝送効率を高める
・不整合は反射とロスの原因になる
・インピーダンスは交流回路の基本概念
→初心者はまず「反射=悪い」と覚えると理解しやすいです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
<関連リンク>
・採用情報
・高周波の反射特性を表すパラメータとは? ~さまざまなパラメータで表現~

