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屋内作業者の動線分析 その手法とは?(その2)

みなさんこんにちは。テクノシェルパ技術コンサルタントの赤谷です。

前回のブログ(屋内作業者の動線分析 その手法とは?(その1))では、作業者の動線分析を行うニーズが高まっている背景について説明しました。

今回はその具体的な手法について説明いたします。

 

屋内で人の位置を管理する手法としては、iBeaconを用いる方法が古くから知られております。この手法では図 1のようにBLE(Bluetooth Low Energy)の発信機を、屋内倉庫などの建物内にメッシュ状に設置します。そして、人が持ったスマートフォンなどで、どのBLEの電波をどのくらいの電波強度で受信しているかを測定し人の位置を推定します。

 

図 1 iBeacon方式におけるBLEの配置と電波の分布イメージ

 

例えばAのポイントでは3つのBLEの電波を受信していますのでスマートフォンでは、それぞれの電波強度が図 2のように見えているはずです。

 

図 2 受信したBLEの電波強度

 

この情報があればAの位置を推定することができるのですが、実際は図 1のようにきれいに電波が分布することはほとんどありません。

と言いますのも、実際の物流倉庫では荷物もあれば柱や壁など電波を遮ったり反射させたりするものが多数存在します。このため、電波が大きく乱れほとんどの場所で正確な測位が困難なものとなります。

よって、iBeaconのみに頼って屋内測位することは実用的ではありません。

このため、私どもは歩行者自律航法(PDR:Pedestrian Dead Reckoning)を主としiBeaconを補助として活用する屋内測位手法をご提案しております。

PDRをスマートフォンで実現する場合、内蔵されている加速度センサやジャイロセンサ、地磁気センサを用いて人が歩いた歩数や方位変化を検出し相対的な移動量を求めます。移動距離は「歩数」×「歩幅」で求めます。しかし、人それぞれ歩幅にはばらつきがありますので、これを補正することが必要です。この補正や絶対位置を得る手法にiBeaconを用います。

ただし、先に述べたとおり電波はマルチパスなどで乱れることが想定されますので、弱い電波情報は利用せず、人が必ず通るポイントにBLEの発信機を設置し、強くて安定した電波のみ利用するなど誤検知を起こさない条件を設定します。

PDRとiBeaconの組み合わせによる測位イメージを図 3に示します。

 

図 3 PDRとiBeaconによる屋内測位イメージ

 

BLEは互いに干渉しないポイントに配置し、BLEが存在しないポイントではPDRで相対測位することで、人の動線をトレースすることが可能となります。

とはいえ、PDRで必要となるセンサ情報やiBeaconを有効的に組み合わせるにはそれなりのノウハウが必要です。よって、作業者の動線分析したいんだけど・・・ってお考えのお客様は、まずはお気軽にご相談下さい。当社の技術コンサルタントがシステム導入までサポートさせていただきます。

 

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