IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)の選定については、以下を考慮する必要があります。
パワートランジスタと違って、電圧駆動型の素子です。
トランジスタでは、ベース電流を流して、コレクタ-エミッタ間電圧を飽和させてONしますが、IGBTでは、ゲート-エミッタ間に電圧を加えてONします。
IBGTは、高耐圧化してもON電圧(コレクタ-エミッタ間電圧)が低いため、比較的高電圧、大容量の電力変換時に使用されます。
耐圧は、600V~数kwまであり、600V、1200V品が産業用途などでよく使用されています。
スイッチング周波数については、MOSFETほど高速でON/OFF動作はできず、20kHz程度です。
またターンオフの際には、テール電流と呼ばれる残存電流が流れるため、スイッチング損失が、MOSFETに比べ大きくなります。
■特徴
- 電圧駆動型
- 耐圧は、600V~数kV
- 高耐圧品ほどON抵抗が高いが、動作電流による変化は小さい
- スイッチング周波数は、20kHz程度(耐圧が数kVのものは、数kHz)
- ターンオフ時にテール電流と言われる残存電流が流れる
※モータ・ドライブや系統連系などのスイッチング素子に使用されます。