Wave Technology(WTI)-ウェーブ・テクノロジ

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#083 EMI対策 ~Sパラメータ その2~

#082 EMI対策 ~ Sパラメータ その1 ~ に続いて、今回もSパラメータです。

左の図より、Port 1から2端子対回路を見たときの進行波電圧Vf1・電流If1と反射波電圧Vr1・電流Ir1と、Port 2から2端子対回路を見たときの進行波電圧Vf2・電流If2と反射波電圧Vr2・電流Ir2を書き込んだものを右図に示す。

 
 
 

進行波電圧Vfのfはforward、反射波電圧VrのrはReverseで覚えればよいですね。
Port1から入力する場合の進行波の向きは右向きで、Port2から入力する場合の進行波の向きは左向きですね。

そうじゃな。
つぎにPort 1から2端子対回路に流れる電力P1と、Port 2から2端子対回路に流れる電力P2を進行波a1a2と反射波b1b2各々を使って表現すると以下のようになる。

 
 
 

進行波|a1|2、|a2|2と反射波|b1|2、|b2|2は電力なので、冒頭の電圧と電流ならびに特性インピーダンスZ0で表現すると以下のようになる。

 
 
 

進行波|a1|2、|a2|2と反射波|b1|2、|b2|2から平方根をとると、以下のように表現できるのじゃ。

 
 
 

WTIエンジニアがブログに書いていましたが、ここからきているのですね。

なみりんもWTIブログをしっかり読んでおるようじゃの。ではつぎに進もう。
2端子対回路を下のようにPort 1側をZOで整合をとり、Port 2側もZOで整合をとると、反射波電圧Vr1Vr2と、反射波電流Ir1Ir2を消去することができる(無反射状態)。
Port 1の進行波電圧Vf1・電流If1と、Port 2の進行波電圧Vf2・電流If2を表現すると以下のようになる。

 
 
 

回路をもとに戻そう。今度はPort 1の反射波電圧Vr1、電流Ir1を求めてみる。
進行波電流If1の向きを(正:+)とし、反射波電流Ir1は逆向きの(負:-)とする。

 
 
 

つぎはPort 2の反射波電圧Vr2、電流Ir2を求める。
Port 1と向きは異なるが、同じように解けばよい。ここでも進行波電流If2の向きを(正:+)とし、反射波電流Ir2は逆向きの(負:-)とする。

 
 
 

上記のうち、式(5.2)÷式(1.2)よりS11、式(7.1)÷式(1.1)よりS21を求めることができる。
なみりんよ、ここから計算してみよう。

 
 
 

S11の計算で出てきたZ1は、Port1から2端子対回路を見たときのインピーダンスになるわけですね。

そうじゃな。
つぎに式(7.2)÷式(3.2)よりS22式(5.1)÷式(3.1)よりS12を求めることができる。

 
 
 

これでSパラメータの各式を求めることができた。
ここからは、もっと実用的な話をしよう。
2端子対回路に直列素子を入れた時のSパラメータの一般式を考えてみよう。
これができれば、ZsにインダクタLやキャパシCを入れたときの入力反射特性(リターンロス)や、通過特性S21を把握することができるぞ。続きは次回に話そう。

 
 
 

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