USB充電器 RAVPower RP-112 vs cheero CHE-325 分解・回路・特性比較レポート
USB急速充電器(60 Wクラス)分解・回路・特性比較レポート
RAVPower RP-112 vs cheero CHE-325
【概要】
近年、高出力化の進むUSB充電器において、次世代パワーデバイスのひとつであるGaN(窒化ガリウム)トランジスタを採用した製品が主流となりつつある。GaNトランジスタ内蔵のAC-DCコントローラICを採用し、61Wの出力で世界最小クラスを実現したRAVPower RP-112と、従来のSi(シリコン)トランジスタを採用し、同等出力の製品として販売しているcheero CHE-325をそれぞれ評価・分解・回路図化し、その違いを比較した。
一般に、GaNトランジスタを採用することでスイッチングロスが低減し、高効率化、低発熱化、小型化が可能と言われている。実際の製品で効率や温度上昇、ロードレギュレーションを比較することで、その実力差を確認した。また、スイッチング波形からデバイス動作を確認するなど、本報告書では、物理分解と特性の両面から2機種を比較した。
【内容】
分解比較:
回路(ブロック)比較、回路構成と価格の関係、実装面積、放熱機構、トランス・コイル外観とL値(フィルタ回路)
特性比較:
ロードレギュレーション、電力効率、筐体温度、スイッチングデバイスの温度、スイッチングデバイスのDS間波形
【製品概要】
RAVPower RP-PC112 cheero CHE-325 特徴 GaNトランジスタ内蔵AC-DCコントローラIC(SC-1933C)を採用し、61 W出力を実現している世界最小クラスのPD対応USB急速充電器 Super Junction Power MOS FETを採用し、RP-112と同等レベルの60 W電力を出力できる比較的低価格なPD対応USB急速充電器。 基本
仕様外形:49×49×32 mm (76.8 cm3)
最大出力:61 W
重量:105 g
入力:100 – 240 V ~ 50/60 Hz 1.5 A
出力:5 V/3 A , 9 V/3 A , 12 V/3 A ,
15 V/3 A , 20 V/3 A , 20.3 V/3 A
USB Type-C ポートx1外形:69×69×29 mm (138.1 cm3)
最大出力:60 W
重量:150 g
入力:100 – 240 V ~ 50/60 Hz 1.5 A
出力:5 V/3 A , 9 V/3 A , 12 V/3 A ,
15 V/3 A , 20 V/3 A
USB Type-C ポートx1構成 Main基板とUSB-C I/F基板の2枚(二次側同期整流のフライバック方式) Main基板とUSB-C I/F基板の2枚(二次側同期整流のフライバック方式) 外観
基板
外観
基板(表)
基板(裏)
外観
基板(表)
基板(裏)
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【目次】
1. 分解比較1-1. 回路図と回路ブロック比較 ・・・ P4
1-2. RAVPower RP-112 回路(ブロック)図 ・・・ P5~6
1-3. cheero CHE-325 回路(ブロック)図 ・・・ P7~8
1-4. 回路構成と価格の関係 ・・・ P9~10
1-5. 実装面積 ・・・ P11~13
1-6. 放熱機構 ・・・ P14
1-7. トランス・コイル外観とL値(フィルタ回路) ・・・ P152. 特性比較
2-1. ロードレギュレーション(5 V, 9 V, 12 V, 15 V, 20 V, 20.3 V) ・・・ P16~21
2-2. 電力効率(5 V, 9 V, 12 V, 15 V, 20 V, 20.3 V) ・・・ P22~27
2-3. 筐体温度(6面) ・・・ P28~32
2-4. スイッチングデバイスのPKG表面温度 ・・・ P33~35
2-5. スイッチング周波数・速度 ・・・ P36~37