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【EMI規格とは?】VCCI・FCCの違いと国別対応|電磁妨害の基本と対策

システム設計課の升野ですみなさん、こんにちは。システム設計課の升野です。

今回は、EMI規格(電磁妨害規格)についてご紹介いたします。

EMI(電磁妨害:Electromagnetic Interference)とは、電子機器が発する電磁波が他の機器に悪影響を与える現象のことで、EMI規格はその影響を最小限に抑えるために設けられた基準です。電子機器を設計・製造するにあたり必須の規格となりますので、今回のブログでご紹介いたします。
また、WTIでは、EMI規格(電磁妨害規格)に準拠した放射EMI・伝導EMI試験を実施できる簡易電波暗室設備を所有しています。WTIで対応できるEMI規格についてもご紹介いたしますので、ぜひ最後までご覧ください。

規格一覧 国・地域とその特徴

EMI規格は、国際規格であるCISPRを元とし、国や地域ごとに異なる規格が適用されています。例えば、日本ではVCCI、アメリカではFCCが適用されており、各国で市場販売するためには対応するEMI規格を満たす必要があります。
代表的な規格を表1に記載します。

表1 国・地域毎のEMI規格

国・地域 規格 特徴
国際(IEC傘下) CISPR 各国の規格の元となる国際基準
日本 VCCI 日本国内でのIT機器の自主的EMC適合制度
アメリカ FCC 米国市場での販売に必須
EU EN EU域内販売に必要

 

EMI規格 電子機器別適用規格について

国や地域によって適用されるEMI規格が異なることは先ほどご紹介しましたが、それぞれの規格において、対象機器によりさらに細分化されています。
表2に各電子機器と適用されるEMI規格について記載します。

表2 機器毎のEMI規格

機器 国際規格
(CISPR
日本
(VCCI
アメリカ
(FCC
EU
(EN
テレビ・ラジオ・オーディオ CISPR 32 VCCI FCC Part 15 EN55032
情報技術機器
(PC、ディスプレイ)
CISPR 32 VCCI FCC Part 15 EN55032
電話、ファックス CISPR 32 VCCI FCC Part 18 EN55032
照明機器 CISPR 15 VCCI   EN55015
工業用機器 CISPR 11 VCCI FCC Part 18 EN55011

 

各国のEMI規格では規定されていない機器もあり、その場合は国際規格であるCISPR規格を適用しています。

ClassAとClassBの違いとその判定基準

一部のEMI規格では、家庭用と工業用でクラス分けがされており、判定基準が異なる場合があります。今回はCISPR 32を例にしてご紹介いたします。図 1はCISPR 32の放射エミッション測定(3m法)における限度値を記載しております。ClassBの方がClassAより10dB低く、より厳しい判定基準であることがわかります。

図 1 CISPR 32の限度値の違い
図 1 CISPR 32の限度値の違い

 

Class Aは主に産業用機器を対象とした判定基準です。工場やオフィスなどの商業・産業環境で使用される電子機器に適用されます。
一方、Class Bは、主に家庭用機器に適用される判定基準です。一般家庭で日常的に使用されるため、他の機器や通信機器への影響を最小限に抑える必要があります。そのため、より厳しい判定基準が設けられており、不要な電波の放出や電磁妨害をより厳密に制限しています。ちなみに、身近な製品でも各国のルールに合ったマークが付いていることがあります。日本はVCCI/PSEマーク、欧州はCEマーク、米国はFCCマークなど。

 

WTIのEMI試験・対策サービスのご紹介

それでは、最後にWTIではどのようなEMI規格に対応しているのかご紹介いたします。
WTIは簡易電波暗室を所有しており、放射EMIおよび伝導EMI試験については、表2のEMI規格についてはすべて対応可能です。これに加えて、ノイズ対策に関する受託サービスや、簡易電波暗室のレンタルサービスも承っておりますので、開発初期段階からのご活用にも最適です。
さらに、その他のノイズ試験についても信頼できる外部の試験サイトと連携することで、幅広い試験ニーズに柔軟に対応いたします。
EMIに関するお悩みがあれば、ぜひWTIまでご相談ください。


 
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