入社後の状況について。
一年目なので、会社のことも仕事のことも、理解しているとはまだいえそうにありません。しかし漠然としながらも、この会社に入ってよかったなと思っています。
理由の一つは職場の持っている雰囲気や人間関係ですね。学生のころに描いていた社会人のイメージは、上からの指示に対して忠実にシビアに応えなければならないという感じでしたね。学生のころお世話になった教授がスパルタンな体育会系出身だったということもあって、夜は12時まで実験をやることもしばしばありましたから、自分では相当鍛えられたつもりでいたんです。入社当初は、そんなふうに気負っていた自分にとって、少し拍子抜けがするくらいおおらかな空気が漂っているように思えました。色んな作業や課題がどんどん与えられると思っていましたが、いまのところはそんな様子もありません。どちらかといえばマイペースで取り組ませてもらっています。もちろんわからないことだらけですから、質問をすれば気さくに応えてくれるし、色んな相談にも乗ってくれる、そんな先輩ばかりなんです。
でも、ある日気がついたんですね。じっくり基調がこの会社の人の育て方なんだと。 半導体進化のプロセスを簡単に理解できるはずもありませんし、わかったふりをしていてもクオリティの高いものはできない。「あっ、待ってくれているんだ」と思えた瞬間、この会社を少し理解できたような気がしました。課題は与えられるものではなく、自分で見つけていくものだと。
嵐の前の静けさ、かもしれませんが、もう少しいまの立場を楽しみたい気持ちです。
自動車用半導体部品、車好きにとっては楽しそうな部門ですが。
ところが、学生のころから車には目が向かなかったんです。新人研修を終えてこのグループへの配属が決ったときは正直戸惑いました。希望についてはアピールしておいたつもりなのですが、一旦気持ちをリセットさせるという目的も会社側にはあったのだろうと、今では思っています。
車のことについてはとんと無知な私でしたから、はじめは、実際に携わっているコイルドライバの原理というミクロな世界と、車を取り巻く安全や環境問題というマクロな世界を行ったり来たりしていました。
自動車に要求される性能や機能が年々高度化・多様化していることも次第にわかってきましたし、これを満足させるための、エンジン電装部品への技術的要求も無数にあることが多少はわかってきました。主な要求は地球環境面からの省燃費と、効率改善なんですね。学生の立場なら、コイルドライバならコイルドライバだけをみていればよかったのかもしれませんが、開発の必然が色んな要素と複雑に関わりあっていることを学べたように思います。
いま携わっているのは、新型モデル車に採用されるコイルドライバの耐環境試験です。-40度から125度までの過酷な環境で試験を行っています。その評価を繰り返して問題点を抽出し、完成度を高める手伝いをしていく仕事です。対環境性はもちろん、安全面とも直結しているパーツですから、いやおうなく真剣にやらざるを得ない。ここが学生と社会人との違いかなとも思っています。
この会社での自分の生き方について。
取引先のスケールや取り扱い製品の先進度を見ても、この会社に期待されている技術レベルの高さはうかがえます。私はいま測定器と向かいあう毎日ですが、それを応用した測定システムを構築する技術も持った会社ですし、目標にしたい先輩もたくさんいます。
もともと人の上に立つといったことにはあまり興味がないので、ひたすら技術を磨いて色んなものをつくれる人になりたいですね。どんな要求にも応えていける設計者であり、後から入ってくる人たちになにかを与えられる人に。
寮での共同生活、住み心地は?
いたって静かですよ。お酒を呑むようになればもっと騒々しくなったりするのかもしれませんが、いたずらに干渉しあうこともないので、居心地は悪くありません。
年齢的に近い先輩がいないということもその理由でしょうか。
同様に、職場でも同じグループには一学年上のひとりをのぞくと10歳以上離れている先輩ばかり。子ども扱いされる訳ではありませんけれど、やっぱり手の平の上で転がされているって感じですね(笑)。でも、その包容力がこの会社の魅力であることは確かです。
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