入社してからの状況は?
一ヶ月の新人研修を終えて決まった配属先がパッケージ設計グループでした。当時は既にCADが主流になっていて、初めは線一本の引き方から教わりました。一方では、グラフ用紙を使って手描きもしましたね。これはバランス感覚を養うために重要なトレーニングとして、いまも受け継がれています。ただ、仕事もあふれていますので、新人だからといってのんきにはしてられない。実践を通じてCADの使い方を身につけ、出来上がったものに対するシビアな評価を通じてスキルを上げていく、OJTが基本ですね。
今では、教わるより教えることの方が多くなりましたが、誰かが新しいことに取り組むときは、その仕事について知っているすべてをみんなで話す、格式ばらないでやっていく、というスタイルはうちならではといえるかもしれません。
現在の仕事について。
半導体は高性能化と小型化の両立が常に求められていて、パッケージングにおいても要求は年々高まる一方です。それに比例して、われわれ自身が自由な創意と工夫で取り組める領域もどんどん小さくなってきています。しかし、厳しい条件の中で「引ききる(設計を完結すること)」ことこそがこの仕事の面白さ。求められる性能を出せそうな形が見えはじめると、やはり「やった」っていう感じですね。
炊飯ジャーなどに用いられる汎用品から人工衛星に搭載される専用パッケージまで、ひとつとして同じラインを引くことはありませんから、一つ仕事を終えるたびに達成感を得ることができる。だから続けていけるのだと思います。
もう一つの面白さは、つねに最先端の世界に携われることですね。取引先が大手ということもあって、巨大市場で勝ち残るためのシビアな競争力が要求されます。まだマーケットのどこにも出ていない、守秘を義務づけられる仕事もたくさんあるんです。
入社してまだ1、2年目のころでした。いわゆるMDがエレクトロニクスショーで初めて発表された時のことですが、そこに自分のデザインしたパッケージが採用されていた。「あっ、オレがやった仕事!」。もちろん開けないとわからないんですけれど(笑)。
いまでも恐らく、多くの人が普段手にしている最新の携帯電話やデジカメなどのどこかには、われわれが引いたパッケージが使われていると思います。大きな市場を持った製品に携われることも大きな楽しみです。
パッケージ設計で心がけていることは?
心がけというか、「センス」は大切ですね。半導体の設計に美的感覚が必要なのか、と思われるかもしれませんが、設計は英語に直すとデザイン。 実際に、美しくレイアウトされたパッケージは性能がいい。きれいなものほど効率よく動作するんです。
自分で引いた線は何年経ってもわかるし、同僚の引いたものもやはりそれとわかる。個性や性格が如実に現れる。センスと呼ぶ理由はそこです。社内ではデザインの傾向を見て「流派」の名前を与えては笑いあったりしていますけどね。
ちなみに松田流の流儀は?
やはり、バランスよく均等に、ですね。個性が現れるといっても、複雑なアルゴリズムや条件に当てはめたうえでのことですから。個人的にも一番大切にしているところです。
これからはどんな仕事をしていきたい?
いまはルネサスエレクトロニクスの仕事を主にやらせてもらっています。それだけでも幸せなことなのですが、できれば分野の違う企業との取り組みなどもやってみたいですね。技術そのものはどこに出しても遜色ないと自負していますが、やはり井の中の蛙になっていてはいけないと話しあっています。
うちには営業マンがいませんから、われわれ自身の努力がそのまま会社の実績に反映される。責任とやりがいがいっしょになってそこにあるんです。しっかりと対応すればお客さんにも評価してもらえるし、次の仕事にもつながります。最先端のデバイスを手がけているという以外での面白い部分かもしれません。
もちろん、なかには納期の短い過酷な仕事もあるけれど、やらなければ前へは進まない。納期があって、求められるスペックがあってこその仕事ですからね。先端分野ゆえに「自分たちがやらなければ誰がやる」という自負もあります。来るなら来い、やらないといけないものからは逃げない、とみんな思っているはずです。やはり、つねに前向きな姿勢で結果を求めていきたいですね。
職場の雰囲気は?
うちの社員の平均年齢は約35歳で、バブル期に多く社員を採用したという経緯もあって(笑)、私と同世代の人間が多いんです。そのせいか、職場の雰囲気は明るいですね。規律をもった中で和気あいあいとした雰囲気があります。仲間意識も強いので人間関係でストレスを感じるようなこともありません。
社長がつねに身近な存在に感じられ、意見を言ったりできることも美風なのでしょうね。部門間でのコラボレーションなどもはじまっていて、色んな意味で刺激には事欠かない環境だと思っています。
学生のみなさんへひとこと。
やる気があるなら、それに見合う達成感は約束できます。とりあえず就職という人には向かないように思いますね。自分の頑張りに対して自分自身で達成感を感じられる人なら、楽しくやっていけるはずです。
最先端に携われるし、ここならデザインを通じて自分らしさや自分の存在感、存在価値を実感することもできますから。
うちの部門は、最初から専門知識を持っていなくてもデザイン的なところから始めるので、敷居も低いと思います。Wave Technologyは半導体をやっている会社、でも自分は半導体を知らないから志望から外す、のではなく、とにかく一度見てごらんっていいたいですね。
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