電気通信主任技術者資格はどうしたら取れるの?

みなさんこんにちは。技術教育センターの前川です。

当社は技術者集団の会社ですので、その技術力を見える化するため、以前のブログでもご紹介したように、社外資格の取得を勧めています。教育センターとしてもそれをサポートしており、これまで電気主任技術者陸上無線系資格試験基本情報技術者試験の合格方法を紹介しましたが、今回は当社の強みの一つである通信技術に関連した国家資格である「電気通信主任技術者」について紹介します。

「電気通信主任技術者」とはどういう資格なのか?

(1)電気通信主任技術者の役割とは

電気通信事業者は、その事業用電気通信設備を総務省令で定める技術基準に適合するよう自主的に維持するために、電気通信主任技術者を選任し、電気通信設備の工事、維持及び運用の監督を担当させるように、電気通信事業法によって義務付けられています。

(2)資格の種類と業務範囲

電気通信主任技術者資格には2つの種類があり、監督できる範囲が異なっていて、表1にその各業務範囲と、図1に総務省のDX・イノベーション加速化プラン2030を示します。現在の情報化社会や生活基盤を支えるとても重要な情報通信技術が対象の資格です。

表1 電気通信主任技術者の種類と業務範囲

資格の種類 監督できる範囲 事業者
伝送交換主任技術者 通信機器・交換設備・
データセンターなど
通信事業者、ISP、
データセンター運営企業など
線路主任技術者 通信線路・光ファイバー・
基地局など
通信工事会社、NTT関連、
インフラ系企業など

 

 

図1 DX・イノベーション加速化プラン2030(出典:総務省)
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r07/html/nd221200.html

「電気通信主任技術者」試験は難しいの?

(1)試験概要と合格率

試験は、一般財団法人 日本データ通信協会 電気通信国家試験センターが、年2回(7月と1月)、全国14地区で開催しています。当社では各種通信システムや通信機器、通信回路の設計や評価を行う業務が多いので、この資格取得を推奨しています。それぞれの資格の受験者情報は表2のとおりです。

表2 電気通信主任技術者の種類ごとの受験者数と合格率

資格の種類 年間受験者数 合格率
伝送交換主任技術者 延べ4千人前後 20~30%
線路主任技術者 延べ2千人前後 20~35%

(2)試験科目と出題範囲

試験に合格するためには何を勉強したらよいのか、その試験の内容を説明します。電気通信主任技術者の試験科目と範囲は次の表3のようになっていて、各科目で100点満点中60点以上を取れれば合格です。

表3 電気通信主任技術者資格の試験科目と範囲

必須/選択 科 目 試 験 範 囲 試験時間

必須

1.電気通信システム

電気通信工学の基礎やシステム技術の大要(電磁気学、電気回路、光通信素子、伝送交換・ネットワーク基礎、他)

80分

選択

2.伝送交換設備及び設備管理
(伝送交換主任技術者のみ)

伝送交換設備の概要並びに設備管理、セキュリティ管理及びソフトウェア管理の技術(デジタル・光伝送、デジタル交換、無線伝送、通信電源、サーバ設備、施工管理、災害対策、他)

150分

2.線路設備及び設備管理
(線路主任技術者のみ)

線路設備の概要、当該設備の設備管理及びセキュリティ管理の技術(メタル・光通信、水底線路、通信土木、他)

150分

必須

3.法規

通信関連の法規(電気事業法、有線電気通信法、電波法、不正アクセス禁止法、電子署名・認証法、他)

80分

資格取得に役立つ当社の社内講座

試験内容は電気通信工学の基礎から通信設備の技術までとなっているため、この分野を勉強したことがない初心者にとっては不安かもしれません。当社では専門外の入門者でも学べるように、この資格に関係する社内講座を開いていますので受験にとても役立ちますよ。それらを紹介しましょう。

(1) 電磁気学高周波回路講座(対象:新入社員、総講座時間:55時間)

電荷によるクーロン力の法則、コンデンサ・コイルの動作理論、電気・磁気の相互作用、電磁波理論とアンテナからの放射原理、高周波伝送回路、スミスチャート使用法など様々な電気通信機器の理解に必要な電磁気学と高周波回路の基礎を理解できます。

(2) アナログデジタル回路講座(対象:新入社員、総講座時間:約70時間(4月集中))

これまでにもご紹介した入門者向けのアナログとデジタルの電子回路講座です。基礎回路理論の座学だけではなく3つの電子回路実験ではんだ付けスキルもアップします。社外の方向けの講座もありますよ。

(3) 電気電子回路講座(対象:新入社員、総講座時間:55時間)

簡単な回路法則から交流理論、過渡現象、増幅回路、負帰還回路、発振・変調回路、電源回路など回路全般について、シミュレーションをしながら回路の基礎を理解することができます。

(4) 情報無線講座(対象:新入社員、総講座時間:20時間)

情報通信技術を広く学べる講座であり、IoT技術の全容を学んだあと、基本的な情報技術や無線通信の基礎(アナログ・デジタル変復調、5G通信システム、各種アンテナ・電波伝搬理論)を学びます。

(5) 半導体デバイスの基礎講座(対象:新入社員、総講座時間:30時間)

ダイオードやトランジスタなど半導体を使ったデバイスの動作原理を、半導体物性から実際の回路応用までわかりやすく学べます。無線通信や光通信に使う高周波素子や光デバイスの原理も学習します。

これら社内講座を受講した結果として、私のような専門外の者でもこの電気通信主任技術者に合格できました。基礎科目は、過去問を解くだけでは正解できないので、電磁気学や電気電子回路の基礎講座で理論をしっかり勉強したことがとても役立つことを実感しました。

試験合格の秘訣とは

社内講座を受講して技術を理解することに加え、合格できる勉強法や秘訣があります。以前にも紹介しましたが、社外資格の合格者からヒアリングした合格のための主な秘訣は次のとおりです。

(1) 科目合格制度を活用する

この資格試験の3科目の攻略については、科目合格すれば合格年から3年間有効ですので、1科目ずつ半年ごとに確実に合格していく。無理に複数科目の合格を目指すと、どれも不合格になり返って時間がかかることがある。

(2) スキマ時間を活用する

勉強時間については、通勤時間や休憩時間、寝る前などのスキマ時間をうまく使う。スマホでゲームをする代わりに、暇つぶしの感覚で過去問サイトに少しずつ取り組むことにより、短い時間の繰り返しなので疲れず飽きないので継続できる。

(3) 良質な教材と動画を選ぶ

教材については、テキスト本や過去問題集だけでなく、良い動画教材やネットサイトを選んで活用する。 良い動画とは過去問の答えを言うだけではなく、その論理的・技術的理由を説明している動画。悪い動画は、解説内容が間違っていたり、答えしか紹介しないもの。

(4) 科目免除制度を活用する

無線技術系の資格や本資格の他の種類(伝送交換、線路)の保有などによる様々な科目免除規定があるので、それらを活用することでひとつの資格を取ることにより、効率的に資格を増やすことができる。

関連資格の「工事担任者」との違い

通信関連の他の資格に「(電気通信)工事担任者」があります。電気通信主任技術者と担当範囲が類似していますので、それらの相違について説明します。次の表4に示すように、電気通信主任技術者は事業用やネットワーク全体を担当しますが、工事担任者は自営の個別設備などの工事や監督が担当範囲です。初心者はこちらから勉強して取得するのも、階段を登るように確実にステップアップできるのでよいでしょう。

表4 電気通信主任技術者と工事担任者との比較

項目

担当する設備の範囲

仕事内容

電気通信主任技術者

事業用通信設備や
大規模な通信ネットワーク全体

電気通信設備全体の維持管理や
運用の監督

工事担任者

個別の端末設備
または自営電気通信設備

電気通信設備の工事、監督

試験の詳細は、日本データ通信協会 電気通信国家試験センターのホームページをご覧ください。
WTIに入社すれば、こんな難しい資格も取れますよ。ぜひ皆さんも当社へ見学に来ませんか?
最後までお読みいただきありがとうございました。では、次回をお楽しみに~

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