パワーコンディショナの試験/性能評価について

みなさん、こんにちは。電源設計課の清水です。
久しぶりのブログ投稿となります。
早速ですが、過去数回に渡って、近年のパワーコンディショナ(パワコン)に求められる性能についてご紹介させていただきました。

今回は少し視点を変えて、パワコン評価の際に参照する試験規定についてお話ししたいと思います。

パワーコンディショナの準拠法令・規格等 

一般的に電化製品など製品開発においては準拠すべき法令や規格が多岐に渡ります。
パワコンにおいても例外ではなく(表1)に示すとおり、主に準拠しなければならない法令や規格が多岐にわたります。

表1.パワコンの準拠法令及び規格例

注1)系統連系:発電設備を電力会社の送電網・配電網につなぎ、外部の電力供給を連携させる仕組み

これら多数の法令や規格の中でも、パワコンの開発・評価においては、JET認証の取得が必須であり、開発の節目となっております。
JET認証試験規定は製品の進化や機能の多様化に合わせて、定期的に見直し・改訂が行われています。
JET認証を取得する際には、基本的にその時点の最新規定に準拠する必要がありますが、製品の開発・評価に携わる立場としては、
過去の改訂内容についても把握しておくことが重要です。

以下に過去に行われた改訂の例を紹介いたします。

パワーコンディショナの試験におけるJET認証試験規定改定例

1. JET認証試験の定義明確化

定義があいまいであった文言の明確化や製品仕様の多様化に伴い、従来の文言では対象範囲を十分に網羅できなくなった事項に対する再定義が行われています。
例えば、パワコンの電力や電流を表す際、約10年前の規定では「定格電力」や「定格電流」という表現が用いられていました。

しかし近年では、パワコンに指定力率一定制御機能を備えたものが一般的となり、運用状況に応じて定格時の電力や電流が変化するようになっています。
そのため、最近の規定では、「指定(力率での動作時の)電力」や「指定(力率での動作時の)電流」といった表現に見直されています。

2. JET認証試験手順、判定基準の変更及び追加

製品の性能向上や機能拡張に伴い、試験手順や判定基準についても見直しおよび追加が行われています。
例えば電圧上昇抑制機能の試験について見ると、従来のパワコンでは、系統電圧が規定値を超えた場合に、出力を制限することで電圧上昇を抑制する単純な制御でした。

しかし、機能の拡張により、現在では系統電圧が上昇した際に、まず一定の待機時間を設け、その後に力率等を変化させて状況を監視する制御へと進化しています。
それでも電圧上昇が収まらない場合に、最終手段として出力制限を行う仕組みとなっています。

このような機能の高度化に伴い、試験手順および判定基準もそれに対応した内容へと改定されており、結果として試験内容はより複雑化しています。

3. JET認証試験項目の追加、削除 

近年のパワコンにおいては、要求される性能および機能の高度化に伴い、試験項目そのものが新規に追加される事例が増加しています。

具体例として、単独運転判定に用いられる無効電力注入機能に関する試験や、その副次的影響を評価する無効電力発振抑制機能の確認試験、
さらに瞬時電圧低下と単独運転状態が同時に発生した際の挙動を検証する試験などが挙げられます。

また、過去に遡ると、瞬時電圧低下に対する試験自体も、10数年前には試験項目として存在していなかったものです。
一方で、試験項目の削除や、同等の評価が可能な他試験への統合が実施される場合もあるものの、全体的な傾向としては、今後も試験項目は増加していくものと考えられます。

まとめ

本稿では、パワコン評価における試験規定について、やや視点を変えてご紹介しました。
私を含むWTIの技術者は、日々変化する製品の性能や、それを評価する手法に柔軟に対応できるよう、日々研鑽を重ねております。

パワコン評価の内容や方法に関して、ご不明点や課題をお持ちの方は、どうぞお気軽にご相談ください。

最後までご一読いただき、誠にありがとうございました。

 

 

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