TSCA調査とは ~成形品に対する米国TSCA法対応について~


営業課の塩谷みなさん、こんにちは。営業企画課の塩谷です。

当社ではchemSHERPA,IMDSといった環境調査スキームによる調査代行や環境規制法規に対する環境負荷物質調査の代行業務を行っております。
今回は米国の化学物質規制であるTSCAについてお話ししたいと思います。

米国のTSCAとは? ~そもそもTSCAって何だろう~

TSCAはToxic Substances Control Actの略で、一般的には「トスカ」と呼ばれています。
「有害な化学物質が及ぼす、人の健康または環境を損なう不当なリスクを防止する」ことを目的に、商業用化学物質に対し製造・加工や輸入を制限する米国の法律で、1977年1月1日に発行され、米国環境保護庁(EPA)が管轄しています。

米国TSCAの法改正 ~なぜ、最近TSCA法の話題や調査依頼が増えたの~

法律制定後約40年間改正がありませんでしたが、環境負荷物質管理に対する市場要求の高まりから2016年6月に法改正が行われ、環境負荷物質の規制に関してEPAの権限の強化や義務の明確化などが行われています。
2016年のTSCA法改正で市場に大きく影響を与えたものとして、優先評価物質に対する措置と企業の義務が明確に記された第6条(h)項の追加があります。

第6条: 化学物質及び混合物の優先度、リスク評価並びに規制
(h)項 : 難分解性、生体蓄積性及び毒性を有する化学品

このTSCA第6条(h)項に基づき2021年1月6日にPBT5物質に対する禁止・制限が公表されました。PBT(Persistent, Bioaccumulative, Toxic)物資とは難分解性で生体蓄積性及び毒性を有する物質を指します。

米国TSCAの法改正 ~成形品である部品や製品へ与える影響~

TSCAは商業用の化学物質を規制するもので、従来、成形品は規制の対象外でした。しかし、PBT5物質は商業用の化学物質だけでなく、これらの化学物質を含有する成形品の製造加工および商業目的の流通を禁止/制限することが明確に記載されました。

米国TSCA で規制対象となったPBT5物質 ~その対象物質と主な用途~

TSCAのPBT5物質は以下です。規制は2021年から用途別に順次開始されています。

No 規制対象物質
(下段:略称)
CAS No. 主な用途
デカブロモジフェニルエーテル
Deca BDE
1163-19-5 ポリエチレン、
ポリスチレン、
ポリエステル 等
の樹脂系添加難燃剤
ヘキサクロロブタジエン
HCBD
87-68-3 溶媒
2,4,6-トリ-tert-ブチルフェノール
2,4,6-TTBP
732-26-3 潤滑油や燃料油の酸化防止剤
ペンタクロロチオフェノール
PCTP
133-49-3 有機ゴム薬品
リン酸トリス(イソプロピルフェニル)
PIP(3:1)
68937-41-7 ゴム、塩ビ、ポリウレタン製品の難燃性可塑剤
接着剤、封止剤、塗料、
グリース、潤滑油

 

米国TSCA で規制対象となったPBT5物質を含む製品の米国輸出対応

No1からNo3のDeca BDE、HCBD、2,4,6-TTBPは化審法第一種特定化学物質にも指定されており、日本市場でも規制が浸透していると思われますが、No4のPCTPは米国のTSCAのみで規制されていますので、米国への製品輸出に関しては注意が必要です。

米国輸出対応No5のPIP(3:1)は樹脂やゴム製品の難燃剤や可塑剤など消費者向け製品にも使用されていたこともあり含有成形品全般を対象とした規制の適用が2024年10月31日から開始となっています。米国への製品輸出の可能性があり含有確認がまだであれば急ぎ対応が必要です。

なお、PBT5物質は既にchemSHERPAの管理対象物質として登録されていますので、chemSHERPA調査による確認が可能となっています。

最後に ~米国TSCA調査以外にも様々な環境負荷物質管理に対応しています~

最後までお読みいただき、ありがとうございました。
当社ではTSCA調査以外にも環境調査全般で代行サービスを行っております。環境調査でお悩みの際には、お気軽にWave Technologyにお声がけください。

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