みなさん、こんにちは。営業課の井澤です。
当社では、chemSHERPA、IMDSといった環境調査スキームによる調査代行や、環境規制法規に対する環境負荷物質調査の代行業務を行っております。日々お客様とお話しする中で、『規制が変わるたびに同じような調査を繰り返している』、『仕入先への依頼や回答確認に時間がかかる』といったお悩みをよくお聞きします。
今回は、こうした環境調査の負担を変える可能性があるCMPについて、実務の視点を交えながらお話しします。
CMPの概要と主な取扱情報
CMPとは?
CMPは、Chemical and circular Management Platform(製品含有化学物質・資源循環情報プラットフォーム)の略称です。製品含有化学物質情報をサプライチェーン全体で伝達・活用することを目的に、製品・部品・材料・化学物質の階層情報を基礎として、リサイクル材やリユース部品などの資源循環情報も扱う共通基盤として整備が進められています。
chemSHERPAを運営していたJAMP(アーティクルマネジメント推進協議会)を2025年10月にCMPコンソーシアムに改組し、新組織としてCMPの構築・運営を担っています。
CMPは、サプライチェーン全体で製品含有化学物質情報を安全かつ効率的に連携し、規制変更時の再調査負担の最小化と業務効率化を目指すプラットフォームです。
CMPで取り扱う主な情報
CMPは特定の物質だけを対象とする調査票ではなく、製品・部品・材料・化学物質の階層情報を管理し、必要な情報を企業間で伝達するプラットフォームです。まずは製品含有化学物質情報の効率的な伝達を中心に仕組みの整備が進められています。
|
情報区分 |
主な内容 |
|
製品含有化学物質情報 |
製品や部品を構成する材料、物質名、CAS番号、含有量・含有率、法規制への該当情報など。 |
|
製品・部品構成情報 |
製品、部品、材料、物質の階層関係や員数、質量など。 |
|
変更・更新情報 |
規制対象物質や管理リストの変更に伴う更新情報、サプライチェーンへの通知・伝達情報など。 |
|
仕入先 |
仕入先企業名、取引関係、情報伝達経路など。 |
chemSHERPAとの違いや今後について
chemSHERPAとの違い
|
項目 |
CMP |
chemSHERPA |
|
位置づけ |
製品含有化学物質情報を連携し、資源循環情報への展開を目指す共通基盤 |
製品含有化学物質情報を伝達するデータ作成支援ツール・スキーム |
|
情報の伝達 |
アプリケーションとデータ連携基盤を通じて共有 |
主にデータファイルを企業間で受け渡し |
|
資源循環情報 |
リサイクル材・リユース部品などの資源循環情報への展開を目指す |
主に製品含有化学物質情報 |
|
今後の関係 |
chemSHERPAの入出力や既存基盤との連携を目指す |
CMPとの連携・併用が想定される |
chemSHERPAは今後どうなるのか
CMPが実用化されても、chemSHERPAが直ちに廃止されるわけではありません。当面は、それぞれの役割を維持しながら、CMPとの連携・併用が進むと考えられます。
chemSHERPAについては、CMPで既存のchemSHERPAデータを取り込み、chemSHERPA形式で出力するための機能が想定されています。具体的な対応範囲、利用条件、変換精度は、各CMPアプリケーションの仕様やデータ内容によって異なる可能性があります。CMPを利用していない取引先からは、従来どおりchemSHERPAファイルなどで情報を収集し、CMPへ登録する形も考えられます。chemSHERPAの廃止時期は公式には示されていませんので、当面はCMPとchemSHERPAの並行運用が続くと思われます。
また、chemSHERPA、CMPでは、対象物質、部品構成、情報開示の粒度や運用ルールが異なります。将来的にシステム連携が進んでも、データの完全な自動変換が保証されるわけではなく、不足情報の追加入力や顧客・業界固有ルールへの対応が必要になる可能性があります。現時点では、chemSHERPAへの対応を止めず、品番、版数、承認状況、根拠資料を整理し、CMPへ連携しやすい状態にしておくことが重要です。
当社が考えるCMP対応
CMPへの対応で大切なのは、単に新しいシステムを導入することではなく、現在の調査業務と保有データを整理することだと考えています。環境調査は、規制の知識だけでなく、仕入先への依頼、回答内容の確認、製品単位での情報集約といった地道な実務の積み重ねが必要になります。当社は、お客様の「もう一つの設計部隊」として、こうした調査実務も含めて支援し、お客様が本来注力すべき開発・設計業務に時間を使える環境づくりに貢献します。
当社では、chemSHERPA、IMDSをはじめとする環境調査・製品含有化学物質調査の代行サービスを行っております。環境調査でお悩みの際には、お気軽に当社にお声かけください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
<関連リンク>
- 申請・調査代行 環境負荷物質調査
- 製品含有化学物質調査の代行サービスを開始しました!
- 初心者でもわかる!chemSHERPA(ケムシェルパ)作成方法の完全ガイド~迷わない実務対応のポイント~
- EU REACH規則 第26次SVHCとして4物質(群)が追加
- 紛争鉱物調査とは
- 紛争鉱物調査とは ~その2~
WTIメールマガジンの配信(無料)

