Wave Technology(WTI)-ウェーブ・テクノロジ

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#062 EMI対策 ~伝送線路5(アンダーシュート1)~

今回は、アンダーシュートのお話です。

前回は、立上り波形で発生するオーバーシュートの話をした。 今回は、立下り波形の動作について調べてみよう。

昇平博士、立下り波形も格子線図で調べるんですか?

今回の立下り波形は格子線図とは違った方法で求めてみようか。 縦軸を電流[mA]、横軸を電圧[V]にしたグラフに出力インピーダンスZOL、特性インピーダンスZ、レシーバの入力インピーダンスZiの負荷線を描いて立下り波形を求める方法がある。ちなみにこのグラフは「Bergeron(バージェロン)図」とよばれておる。

「Bergeron図」ってこれも初耳だわ。どうやって使うんですか?

立下り動作で主に関係するインピーダンスはZOL、特性インピーダンスZとレシーバZiじゃな。 まず最初に、出力インピーダンスZOL(傾き:1/12.2Ω)とZOH(傾き:1/15.1Ω)の傾きをグラフに描いてみよう。 ZOLは原点O、ZOHは3.3Vを通過するように線を引くのじゃ。

下のグラフのような感じですか?

おっ、なみりん素晴らしい。あとは特性インピーダンスZじゃな。ここからステップごとに説明しよう。 ステップ1 もともと立ち下がるまではHIGH(=3.3V)であったわけだから3.3Vをスタート地点にして-1/Z(-1/71.9Ω)の線を引くのじゃ。この線の延長線上にはZOLの線と交わる点がある。この交点の電圧成分が、a点の電圧じゃ。

ステップ2 次にこの交点から傾きを+1/Zに変えて線を引いてみよう。 すると延長線上にZi(I=0)の線と交わる点が存在することが分かる。この交点の電圧成分がb点の電圧じゃ。

ステップ3 次にこの交点から傾きを-1/Zに変えて線を引いてみよう。 この延長線上にZOLの線と交わる点が存在することが分かる。この交点の電圧成分がa点の電圧であることを示しているんじゃよ。

ステップ4 次にこの交点から傾きを+1/Zに変えて線を引いてみよう。 延長線上にZi(I=0)の線と交わる点が存在することが分かる。この交点の電圧成分がb点の電圧である。あとは、この交点を地点にステップ1の後半と同じように線を引けばよい。

長くなったので、続きは次回にしよう。

次回も引き続き、アンダーシュートのお話です。

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