「IPX8」対応の防水試験機を導入しました
こんにちは。構造設計課の木谷です。
近年、防水試験設備に関するお問い合わせを数多くいただいておりますが、特に最近はIPX8試験に関するご相談が増えてきました。
こうしたニーズにお応えするため、このたび当社ではIPX8対応の防水試験機を新たに導入しました。
「IPX8という言葉は聞いたことがあるけれど、具体的にどのような試験なのかはよく分からない」という方も多いのではないでしょうか。
本記事では、IPX8試験の概要について、できるだけ分かりやすく解説します。
防水等級「IPX8」で求められる防水性能とは?
IPX8とは、防水性能を示す**IP規格(Ingress Protection)**の等級のひとつで、非常に高い防水性能を示します。IP規格は、電子機器や筐体が水や粉じんの侵入にどの程度耐えられるかを評価する国際規格(IEC 60529)です。IP以降の数字・記号は以下を表しています。
- 「IP」の後ろの1桁目は防塵性能
- 「IP」の後ろの2桁目(Xを含む)は防水性能
IPX8の場合、
- 防塵性能は、規定なし(X)
- 防水性能は、最も高いレベルのひとつ
という意味になります。
IPX8対応の防水試験概要
IPX8は、機器を継続的に水中へ沈めた状態でも正常に機能するかを確認する試験です。参考として、IPX7との違いを以下に示します。

IPX7が「一時的な水没」を想定した試験であるのに対し、IPX8はより過酷な水中使用環境を想定しています。IPX8の大きな特徴は、水深・水温・試験時間が一律で決められていない点です。試験条件は、製品の使用環境を踏まえ、メーカーが個別に決定します。そのため、同じ防水等級IPX8の製品でもメーカーによって対応する防水環境は異なります。
IPX8対応の試験条件例
以下は、実際に想定される試験条件の一例です
水深:1.5m、水温:温水(40℃)、試験時間:30分
水深:5m 、水温:自身(外郭)の温度と5 ℃以内(常温)、試験時間:60分
IPX8対応でも防水性は万全ではありません
IPX8だからといって、すべての水環境に対応できるわけではありません。例えば、海水、高温の温水、石鹸やシャンプーなどは想定外となるケースも多くあります。
実際に常温で水深1.5m(30分)の試験に耐えれた製品において、お風呂など温水に浸る可能性があるとして温度に対する限界試験(製品としては仕様外の試験条件)として温水(40℃)で水深1.0m(30分)の試験を実施した場合、製品内に浸水したケースもありました。
そのため、製品仕様書では、
「IPX8(常温、水深1.5m、30分)」
のように、具体的な試験条件を明記するのが一般的です。
まとめ
当社では、
- 水深1mを超えるIPX8試験
- 試験時間の延長
- 温水による防水試験
に対応可能です。
また、IPX7では人工海水での防水試験にも対応しており、一辺1.5mの大型水槽も完備しています。さらに、IPX5・IPX6ノズルを使用した試験については、JIS C4620(キュービクル式高圧受電設備)の防噴流形試験など、大型外郭製品の評価も可能です。
防水試験・防水設計でお困りの方へ
防水試験や防水設計でお困りの際は、お気軽にご相談ください。当社では、さまざまな業界のお客様から防水設計に関するご依頼をいただいております。
単なる防水試験だけでなく、
- 浸水箇所の特定
- 原因分析
- 対策立案
まで含めたトータルサポートを行っています。ご相談内容に応じて、最適な支援サービスをご提供いたします。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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