移動体の位置検出コンサルサービス
重機やフォークリフトなど搬送車の自動運転では、高精度位置情報検出技術が必要不可欠です。テクノシェルパは移動体の位置検出技術で長年培ったノウハウがあり、これら技術課題をコンサルサービスでサポートさせていただきます。
また、モノのインターネット接続(IoT)が進む中では、これまでネットワーク接続に関わりの無かった製品にも、無線通信などの技術導入が求めれており、ここでも技術の壁に悩まれているお客様が居られます。テクノシェルパは、これら技術の壁を取り除き、製品開発を加速するためにご利用いただくコンサルサービスです。
技術コンサルティングの進め方
基本的には以下のフローに基づき技術コンサルティングを進めさせていただきます。お客様のお困り事に合わせてプランニングし費用をご提示しますので、まずはお気軽にご相談下さい。
ご相談
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営業・技術が訪問しお困りごとをお伺いします |
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プランニング
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技術課題解決に向けたプランをご提案します。 |
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お見積り
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合意いただいたプランをもとに費用を提示します。 |
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コンサルティング
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技術課題の分析・調査、問題解決に向けたアドバイスを行います。 |
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成果レビュー
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目標に対する達成度をお客様と共にレビューさせていただきます。 |
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納品
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レビュー結果を反映した報告書を納品します。 |
位置検出技術のご紹介
カーナビゲーションなどの位置検知には以下のセンサが用いられます。
位置検知で用いるセンサと機能
【GPS】
◆得られる情報
絶対的な緯度、経度、高度、速度、方位、時刻、物理的に発生する測位位置に関する誤差データ
◆注意点
測位に用いる可視GPS衛星数が少ないと位置精度は劣化し、建造物に反射する電波で大きな誤差が発生する。(マルチパス)
【ジャイロセンサ(角速度センサ)】
◆得られる情報
相対的な左右方向の旋回角度
◆注意点
短時間での使用での誤差は少ないが、長時間の累積誤差で信頼性は低下する。
旋回角度を演算する為の基準電圧(オフセット電圧)と感度には固体差と温度によるドリフトが発生するため、この誤差を補正するためのノウハウが必須となる。
【車速センサ】
◆得られる情報
相対的な移動距離。
日本車の場合JIS規格で定められたもので、多くの車両ではおおよそタイヤ1回転で4パルス発生する。
◆注意点
GPSの安定走行速度と車速パルス数との比較などから1パルスあたりの移動距離を演算するが、真値に早く収束させ安定させるノウハウが必須となる。
【加速度センサ】
◆得られる情報
車両の前後方向に発生する加速度。
車速パルスから求めた加速度と加速度センサから求めた加速度の差分が傾斜角度を示す。
◆注意点
車両の1パルスは4パルス車で約39cmとなる事から、分解能が粗い為に低速走行時に速度から求める加速度は精度が低下する。
この精度の粗い加速度と加速度センサの差分から傾斜角度を求めるにもノウハウが必要となる。
【バックセンサ】
◆得られる情報
車両の前進状態、後退状態を判定する為のデータ
これらセンサの中でGPSは唯一、絶対的な位置を検出できるもので、それ以外のセンサは基準点からの相対位置を求めるために用います。後者によって求めた自車位置をもとに航行する技術を自律航法と呼びます。
屋内位置検出技術一覧
技術 | 方式 | 精度 | メリット | デメリット | 補足 |
IMES | GPS受信機利用 | 10m | ・屋内、屋外のシームレス対応可能 ・位置の精度が比較的安定 ・国土地理院に届出し管理 | ・天井に送信機設置でコスト必要 ・IMES対応GPS受信機が必要 ・GPS信号のクリアランス調整(1回/2年) | ・JAXAが開発 ・製品化が未 |
Wi-Fi測位 | 複数の無線LANアクセスポイントのビーコン情報を基に位置を計測 | 数m~数十m | ・機器設置のハードル低い | ・屋内使用では反射波やノイズが多く精度を 出しにくく、安定度低い。 | |
超音波測位 | 超音波を受信して位置を特定 測位するには複数の装置設定 | 30cm | ・超音波の捕捉で比較的精度高い | ・天井に複数の送信機設置でコスト大 | |
可視光通信 | LED電燈などで位置情報を発信 | 1m | ・電燈は施設に存在するので設置しやすい | ・発信源を撮影する為、カメラが必要。 | |
iBeacon | ブルートゥースの電波強度を用いて位置測位 | 50cm~1m | ・iBeacon自体は安価で設置が容易 ・省電力で動作可能 | ・屋内使用では反射波やノイズが多く精度を 出しにくい。 ・測位する為には多数の設置が必要 | |
UWB | 超広帯域無線通信 (Ultra Wide Band) | 30cm | ・測位精度が高く、高速でリアルタイム 処理に最適 | ・天井に多数のUWB機器が必要となる。 ・UWB機器自体が高価・天井に多数のUWB機器が必要となる。 ・UWB機器自体が高価 | |
レーザースキャン | 回転式レーザーで位置を特定 測位するには反射板の設置要 | 1cm | ・現状では最も高精度 | ・回転式レーザースキャナが高価 ・人などの障害物で測位精度劣化 | |
センサ統合& 自立航法 | 何らかの手段で出発点の位置を確定した後、加速度センサやジャイロセンサなどを組合わせて現在位置を計算 | 3~50cm | ・車速パルス+ジャイロ+加速度により 安価で構成可能。 ・目的に合わせたサインポスト設置可能 | ・センサの累積誤差が発生するため ピンポイントでの位置補正処理が必要 |
自動運転などで高い位置精度を求められる機器では、GPSと自律航法を組み合わせたハイブリッド航法が必要となります。
■ハイブリッド(GPS+自律)航法概念図
GPS妥当性判定処理例およびGPS位置、方位による自律位置補正処理例を下図に示します。
・GPS妥当性判定処理例
・GPS位置、方位による自律位置補正処理例
GPSおよびその他センサにはそれぞれ弱点がありますが、ハイブリッド航法ではこれら弱点をお互いに補完し高い位置精度を得ることが可能となります。
■位置検出の実証実験結果例
GPSのみとハイブリッド航法(GPS+自律航法)の位置検知精度を比較したものを下図に示します。
左のGPSのみでは屋内部分などで方位ズレが発生しているのに対して右のハイブリッド航法ではGPSによる補正を行うことで方位ズレは発生しておりません。
このように移動体の自車位置を正確に求めるには、長い経験とノウハウが必要です。
より詳しい技術資料をご希望される方は「資料ご請求はこちら」ボタンのクリックをお願いいたします。
モノへの無線ネットワーク搭載技術
モノに無線ネットワークを搭載するには、用途や仕様に応じて最適な通信規格を選定する必要があります。
主なエリアネットワーク用通信規格一覧
無線LAN | Bluetooth | ZigBee | Z-Wave | ANT/ANT+ | Wi-SUN | LoRa | |
標準規格 | IEEE802.11 | IEEE802.15.1 | IEEE802.15.4 | 独自規格 | 独自規格 | IEEE802.15.4g | LoRaWANTM |
通信速度 | ~450Mbps | 1Mbps | ~250kbps | ~100kbps | 1Mbps | ~400kbps | ~50kbps |
通信距離 | ~100m | ~100m | ~2km | ~30m | ~30m | ~1km | ~15km |
ネットワーク トポロジー | Peer to Peer, Star | Peer to Peer, Star | Peer to Peer, Star, Tree, Mesh | Mesh | Peer to peer, Star, Tree, Mesh | Peer to peer, Star, Tree, Mesh | Star |
消費電力 | 1000mW | 100mW | 数十mW | 数十mW | ZigBeeより低い | 1mW以下 | 数十mW |
無線LAN、Bluetooth、ZigBee等はこれまでも一般的によく使用されているネットワークです。しかし、IoT化が加速する中、ウェアラブル端末や屋外の監視センサなど電力供給が難しく内蔵バッテリーで長時間駆動することが求められるアプリケーションが増えており、より低消費電力を実現したZ-Wave, ANT/ANT+,Wi-SUN,LoRaなどの新たな通信規格も生まれてきております。
モノに無線ネットワークを搭載する場合、アンテナの設計・配置・評価も課題となります。
まず、アンテナの評価では図のような評価系を用いて3平面における放射電力を測定します。
アンテナ放射電力の評価系
次にアンテナ端放射電力(Pant)の計算式を式(1)に示します。図の(a)におけるスペアナ測定値(Pmeas)にロス(Li)を加算してPantを求めることができます。Liには空間ロス、フォーンアンテナ利得及びケーブルロスが含まれます。
Pant=Pmeas+Li (1)
Liの評価系を図の(b)に示します。この評価系では基準ダイポールアンテナ(利得2.14 dBi)を用いており、Pmeasが式(2)で求められます。この式(2)からLiを求めます。ここで、Poutはアンテナ端の電力となります。
Pmeas=Pout+2.14-Li (2)
また、Pant計算結果からモジュールのアンテナ利得Gantを式(3)で求めることができます。
Gant=Pant-Pout (3)
(a) モジュールの評価系
(b)Liの評価系
アンテナ端放射電力の評価系
このようにモノに無線ネットワークを搭載し製品化するには、一つ一つ正しく設計・評価・結果のフィードバックを進める必要があり、ここには、技術、経験、設備など様々な壁が立ちはだかります。
テクノシェルパ(Techno Sherpa)は、これら壁を排除するための最適なコンサルサービスです。まずはお気軽にご相談ください。
フォークリフト用自律航法ユニットの開発
ネット販売などで物流の高速化が求められる中、GPS受信できない倉庫内においてもフォークリフトの位置を正確に把握し荷物の収納管理をタイムリーに行いたいとするニーズが高まっております。
Wave Technology では、GPSを受信できない環境下でもジャイロ、加速度センサ及び車速パルスから得られる情報を基に、自車位置を正確に把握する自律航行ユニットを開発しております。
※これらセンサから自車位置を特定する特別なノウハウを有しており、重機や、農機などの位置管理も可能です。
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フォークリフトに取り付けた自律航法ユニットからの位置情報を、Wi-Fi等の無線回線によってホストPCにアップロード。 | ホストPCでは専用アプリケーションソフトを使って、フォークリフトの位置をリアルタイムに表示。 |
フォークリフトの位置表示例
ゴルフカートナビ開発
タブレット内蔵のGPSから得られる各ゴルフカートの位置情報を、920 MHzの特定小電力無線モジュールにより本部に集約する。本部側からは、各ゴルフカートの位置情報を基に他の組との位置関係やショット禁止などの情報を各ゴルフカート側に伝達するシステムを開発。
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開発構想段階からサポートさせていただき、ゴルフ場での実証実験を通じて最適な無線回線(420MHz or 920 MHz)の選定や無線中継方式の検討など製品仕様の面でも様々なご提案をさせていただきながら開発を進めました。
「地図データ:Google earth, ZENRIN, DigitalGlobe」 ゴルフ場での無線通達エリア確認結果
【関連リンク】
- テクノシェルパが提供する位置情報検出技術とは
- IoTは3つに分けて理解する
- 「テクノシェルパ」日経新聞掲載のインパクト
- 3月15日の日経産業新聞に載りました
- 日経新聞と日経産業新聞 掲載後の反響
- 「位置検出技術」ってどこに使うのか
- KOMTRAXみたいなことを屋内でやってみたくないですか
- GPSの位置精度をご存知ですか?
- RTKの位置精度はセンチメートル級!
- 人手不足の時代。自動走行/無人航行の導入が進展
- RTK-GNSS受信機による位置検出精度は?
- スマート農業に不可欠な技術は○○です